ママさんバレーの障害予防
- komodaseikotsuin
- 2017年9月29日
- 読了時間: 7分
現在私は自身の経験を活かした地域貢献の一環として、ママさんバレーのお手伝いをさせて頂いてます。
練習や試合を見ていて、ママさんバレーの活気と情熱に沢山の刺激を頂いています。
そんな素晴らしいママさんバレーに対して、何か私なりに貢献できる事は無いかと考える中で思いついたのが、今回の内容です。
練習や試合を見ているなかで、何度か怪我の現場に遭遇した事があります。
また、怪我まではしないものの、かなりヒヤリとする場面をゲーム中に多く見かけます。
チームによっては、専門的知識のある指導者がついていないところも多くあると聞いています。
ましてや身体構造を理解したうえで技術指導をされている方はかなり稀な存在ではないでしょうか。
そこで今回、私が見たヒヤリとするプレーを改善する為のポイントをお伝えしようと思います。
しっかりと実践できれば 《怪我の予防になり、プレーの質も向上する》 そんな話です。
かなりポイントを絞ってまとめましたので、指導者不在でお困りの方や、怪我に不安を感じている方は読んでみて下さい。
今回のテーマは捻挫予防です。
プレー中1番捻挫の危険性が高いのは、何と言ってもネット際でのプレーですよね。
ネット際でのプレーと言っても、スパイクからブロックフォローまで色々ありますが、
今回は《ブロック》に絞ってお話ししていきます。
ブロックは相手のスパイクを封じる為以外にも、味方のレシーブに大きな影響を与える大切なプレーの1つです。
ブロックの狙いによって変わってくる部分もありますが、
大切な基本の1つに《流れて飛ばない》というものがあります。
スパイクコースやネット上のボールに対して斜めに空中で流れて飛ばないということです。


上の写真は、Aジャンプの踏切り、B空中姿勢、C着地と、1回のブロック動作を分解したものです。
悪い例となるように飛んでもらいました。
この写真を使って、何故流れたブロックが良くないのか、ポイントを挙げていきます。
①踏切り位置と着地位置が大きくズレる事により、隣りのブロッカーや隣接するプレーヤーの足の上に乗ってしまいやすい。
②空中姿勢が斜めになる為、着地が片足になりやすく、不安定な着地になる。
③空中でブロックが流れる為、数人でブロックに行った場合、ブロックがばらけやすい。
④ブロックの位置が流れる為、レシーブコースが絞れない。
⑤空中姿勢が不安定な為、腕や指などに正しく力を伝え辛く、ボールを弾きやすい。
細かい話をし出すときりが無くなりますので、以上のポイントに絞ってお話しをしていきます。
①②は、正しく今回のテーマの中心となるポイントですね。
③④⑤は、プレーの質、チームの得失点に大きな影響を与えるポイントです。
流れずにブロックを跳ぶ事を実践できれば、逆にこれだけのメリットがあると言えます。
ここからは、実際にブロックをする時にどの様な点に注意すればいいのか、お話ししていきます。
1番のポイントは、跳び方ではなく、跳ぶ前の準備です!!
本来ブロックは、抑えたいボールの飛んでくるコースの正面に入って、真っ直ぐ垂直に跳ぶのが正解です。
良くない理由④⑤に書きましたが、空中姿勢が安定する事で、より強いブロックになり、レシーバーも基準がハッキリして動きやすくなります。
では何故流れて跳ぶのか。
1つ目の理由は、時間的な問題。
とりあえず跳びに行くので精一杯という感じではないでしょうか。
2つ目の理由としては、流れて跳ぶブロックのリスクを知らない。
先に2つ目の理由についてお話しします。
チームとしてブロックの主目的を何にしているかによって変わる部分もありますが、
悪いブロックは、かえって跳ばない方が良いくらいの弱点になります。
まずはこの事をしっかりと覚えて下さい。
無理に流れて跳んだブロックは、周りのプレーヤーとの衝突、ネットタッチ、ワンタッチが予測しづらい、ブロックアウトを取られやすい、レシーブコースが絞れない等々、良い事がほとんどありません。
無理矢理追いかけて斜めに跳ぶより、抑えたいコースに多少間に合わないくらいの差なら、行けるところまで移動してその場で垂直に跳ぶ方が良いです。
その差がボール2個分を超えそうなら、チームで約束事を決めておき、跳ばずにレシーブにまわった方がいいと思います。
以上の事をしっかりと覚えて頂いた上で、1つ目の問題に取り掛かりましょう。
そもそもプレーヤーからしてみたら、
『良い体勢で跳ぶ余裕が無いから仕方なく無理な跳び方をしてるんです!』
と言いたいところですよね。私も1プレーヤーとして気持ちはわかります。
しかし、実際に流れてブロックを跳ぶ癖のあるプレーヤーを見ていると、
速く移動する準備と、速く跳ぶ準備が全く出来ておらず、理由2つ目で話した意識もなくブロックを飛んでいる事が多くあります。
1つ目の理由の解決策として、速くブロックを完成させる準備が必要になります。
ここから良いブロックをする為の準備について話していきます。

①②③は一連のブロックの流れです。これを使って話を進めていきます。
まずは構えから、
多くのプレーヤーが①のように棒立ちで構えています。
もっと言えば、①のように手を挙げずに下げたままの場合もあります。
ブロックとはジャンプして空中でしっかりと両手を伸ばすものです。
つまり①の時点でジャンプの準備と手を挙げる準備をしておけば、①から②に移行する時間を短縮出来るのです。

よって、棒立ちの①の構えでは無く、ジャンプする準備を整えた膝を曲げている②が正解となります。
時間にしてこの1秒前後の節約が、流れないで跳ぶブロックにはとても大切になります。
①②③は、その場で跳ぶブロックの写真ですが、
移動して跳ぶブロックの場合も、②の体勢をキープしたまま移動して、移動しきったらしゃがみ込まずに直ぐに跳べるようにします。
ブロックの流れてしまう方向を見ていると、横方向だけでは無く、中にはネット方向(前方)に流れしまっているところも見かけます。
この前方への流れも、跳ぶ前に正しい準備をしておく事で防ぎやすくなります。
ポイントは2つ。
1つ目は跳ぶ前の位置取りです。
ネットとの距離を正しく取りましょう。
基本は先ほどもお話ししたように、《構えている位置(体勢)からそのままジャンプすればブロックが完成する所》が、ネットとの距離の目安になります。
多くの方が、特にラリー中になるとその距離がバラバラになっています。
2つ目は目線。
ブロックを構えている体勢から止めに行くボールの行方を追う時、アゴを上げてしまっているところを見かけます。
人の身体は、アゴが上がると腹筋に力を入れ辛くなります。
腹筋に正しく力が入らないと、体幹が不安定になり、ジャンプした時に目線方向に流れやすくなります。
なので、ボールの行方を追う時は、アゴを上げないように、上目づかいを意識すると良いです。
このように、ブロックの持つ影響力をしっかり認識した上で正しく準備をすると、
強くて安全な質の高いブロックが出来るようになります。
是非、普段の練習から意識して取り組んでみて下さい。
長くなりましたが最後までお読みくださりありがとうございました。
当たり前ですが、バレーボールは1人では出来ません。
チームメイトがいて、相手のチームがいて、初めてバレーボールをプレーする事が出来ます。
ですから私は、バレーボールでの傷害予防も皆で取り組む事に意義があると考えています。
今回、捻挫予防としてネット際でのプレーに焦点を当てたのも、
敵味方関係なく皆でこの情報を共有して実践する事の大切さが際立つものだからです。
この記事が役立つと思って頂けましたら、是非たくさんの方とシェアして下さい。
ママさんバレーの活気は多くの方々の力に支えられて維持継続されているものだと思います。
微力ですが、私の知識と経験で貢献出来る事があれば幸いです。
球出ししてくれる人がいない。テーピングのやり方や怪我の応急処置を知りたい。課題に合った練習メニューが分からない等々、
お悩みがございましたらお気軽にご相談下さい。ご要望がありましたら練習場所への訪問も行っています。
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