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呼吸で行う自律神経のセルフケア

  • komodaseikotsuin
  • 2023年1月25日
  • 読了時間: 5分

更新日:2023年1月28日


自律神経の乱れを引き起こす行動や状況は挙げればキリがないほど色々あります。

ですが原因を突き詰めると実はシンプルで、『自律神経の働きの初期設定とズレた事を続けているとダメ。』という事になります。


自律神経の初期設定とは、人間が草原や森などで狩猟採集によって生活していた頃に合わせて組み込まれた設定です。


日の出と共に行動を開始して、日中は狩りに出かけたり体を動かし、日暮れと共に休息に入る。

最新の研究によると、人類は少なくともこういった生活環境で600万年は生活していたそうです。

ですので、人体の基本システムはこの600万年間を過ごした環境に合わせたままになっています。


このような生活習慣や行動原理とズレた事をすると、自律神経にかなりの負担がかかります。さらにこれにプラスして、心理的なストレスも自律神経に多大な負荷をかけます。


つまり現代人、特に都市部で暮らし一次産業以外の仕事に従事している人が、自律神経にNOダメージな生活を送るという事はあまり現実味がない目標になります。


ですので今回は、自律神経の乱れが出ないようにする事はいったん置いといて、乱れた自律神経の波をその時だけでも鎮める方法をお伝えします。


とても手軽な方法ですが、日本の東京大学やアメリカのハーバード大学など、世界の研究機関にて、その効果が科学的に立証されたものになります。




そもそも自律神経って何という方はこちらの記事をどうぞ

⇓⇓⇓⇓



現代人は自律神経の中でも、特に交感神経が過剰に興奮してしまっている方が多く、その結果引き起こされる症状で悩まれている方が非常に多くいらっしゃいます。


頭痛。肩凝り。ドライアイ。口の渇き。息苦しさ。動悸。高血圧。手足の痺れ。腰痛。体の痛み。吐き気。胸焼け。便秘。下痢。不眠。不安。パニック。


ザッと一部を挙げただけでも交感神経の過緊張の症状はこれだけあります。


ですので、今回は自律神経のなかでも交感神経の異常緊張を鎮める為の方法をお伝えします。


使用するのは『呼吸』です。


より正確に言うと、横隔膜(おうかくまく)です。


人の呼吸には、ザックリ分けて胸式呼吸と腹式呼吸があります。

このうち腹式呼吸をする際にメインで働くのが横隔膜です。


横隔膜には副交感神経が多く分布しています。腹式呼吸を行うことで横隔膜を使い、そこに多く分布している副交感神経に刺激を与えます。


自律神経というのは基本的にシーソーのように働きます。どちらか一方が働きを強めれば、残りの一方は働きを弱める性質があります。


この性質を利用して、腹式呼吸を通じて副交感神経の働きを強める事で、交感神経の異常緊張を和らげます。



具体的な方法の説明に入る前に、注意点をお伝えします。


お気付きの方も多いと思いますが、自律神経の乱れからくる症状の中には、副交感神経の異常緊張から出ているものもあります。


一般にアレルギーと言われる様な症状や、偏頭痛、吐き気やその他消化器症状などがこれに当たります。


ですので、今回お伝えする交感神経の過緊張を和らげる呼吸法を実践していただいた際に、何かしら体調の悪化を感じる場合、それは副交感神経の側に問題が有る可能性が考えられます。


その際は直ちに交感神経の緊張を和らげる呼吸法を中止して下さい。



ではここから、交感神経の緊張を和らげる呼吸法の説明に入ります。


①呼吸は必ず腹式呼吸で行う。

《腹式呼吸のやり方》

慣れないうちは仰向けで寝て、軽く膝を立てて行うと感覚を掴みやすいです。

胸とお腹(ヘソの辺り)に手を置きます。

鼻から息をゆっくり吸います。

その際、胸に置いてある方の手が動かないように(胸が大きく膨らまない様に)息を吸います。

逆のお腹に置いてある方の手は、お腹が膨らんでくるのに押されて上にあがるように息を吸います。2~3㎝くらい手が持ち上がるといいですね。

吸い切ったら後はゆっくりゆっくり息を吐いていきます。


②息を吸う時は必ず鼻から吸う。吐く息は鼻でも口でもどちらでもかまいません。


③立って行っても、座って行っても、寝て行ってもよいが、立位や座位で行う場合は緊張しない程度に姿勢を正して行う。


以上の3点を厳守していただいたうえで、4秒かけて息を吸い、8秒かけて息を吐くという事を繰り返します。慣れないうちは4秒-8秒がキツイ方もいると思います。そういう場合は3秒吸って6秒吐くというやり方でも効果はあります。無理せず行う事も大切なポイントになります。


繰り返しになりますが、ポイントはしっかり横隔膜に刺激を与える事であり、ゆっくり時間をかけて息を吐く事です。


1回にどれくらいの時間やれば効果が出るかというと、慣れれば1回の呼吸動作でも効果が出るようにもなりますが、初めのうちは1回3〜4分くらいを目安に行うと良いかもしれません。10分もやれれば充分です。


目的の症状によっても違いがありますが、日中にこまめにこの呼吸法を取り入れ、睡眠に入る前にベッドの中でこの呼吸法を行いながら寝れば、3日目の起床時には目覚めの違いを感じられる人も多いと思います。


いつやればいいのかですが、眠くなったら不味いタイミング以外であれば、基本的にはいつやってもいいです。むしろ積極的にやれるタイミングを見つけて回数を増やしていきましょう。


おすすめのタイミングは、イラっとした瞬間や、何かしらのパフォーマンス前に緊張していて気持ちを落ち着けたい時、急に襲ってきた不安感からドキドキしてきてしまった時、寝る前に行えば睡眠の質の向上も得られます。


現代人は無意識で呼吸をしている際には胸式呼吸がメインになりやすいです。さらにその呼吸は浅く頻回なモノになってきていると言われています。浅く頻回な胸式呼吸はそれだけで交感神経の緊張を強めてしまう作用があり、本来は呼吸の主働筋ではない首や肩の筋肉にも強い負担を強いります。さらに怖いのが、浅く頻回な呼吸はそれだけで人の心の不安を搔き立てる作用があるという点です。


人の心身の健康において、普段無意識に行っている呼吸の影響が、とても大きいという事を知っていただけたら幸いです。


自律神経のバランスが整うと、疲労回復能力の向上や日常のパフォーマンス向上だけでなく、メンタルを安定させ、アンチエイジングにも絶大な効果が期待できます。


ぜひ無理のない範囲で取り組んでみて下さい。




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