自分に合った眼鏡を作る
- komodaseikotsuin
- 2022年12月29日
- 読了時間: 6分
当院では眼精疲労に対する施術を多く行なっていることから、必然的にメガネに関する質問を多くいただきます。
多くは『どこで作ればいいの?』というものです。
ですので今回は、メガネ作りの要点をまとめてみました。
メガネ作りを失敗すると、お困りの症状を悪化させてしまう原因にもなるので要注意です。
まず初めに、メガネを作るにあたり当院では眼科の受診を勧めています。
それには明確な理由があります。
現在では、大手量販店など、メガネを作ろうと思ったら、視力検査も含め短時間で安く作る事が可能になっています。
そんななかで、なぜわざわざ眼科の受診を勧めるのかというと、
その視力の低下の原因に、病気が関わっていないかを、メガネ屋さんでは診断する事ができないからです。
これが眼科受診を勧める最も重要な点です。
眼の症状は、その発病や進行具合がわかりにくいものが多いです。
なぜなら、片眼に疾患があっても無意識に反対の眼で補助していたり。眼から入ってきた情報を脳が勝手に補正していたりする場合があるからです。
その反面、見落としていると重大な病気だった場合もあり。失明に至る病気だったり、自己免疫疾患だったり、脳の病気だったりと、非常に怖いものがあります。
ですので、原則として眼科で検眼し、眼鏡処方箋を持ってメガネ屋さんで作る事をお勧めしています。
さらに付け足すと、メガネは一度作ったらそれで良しとはいかないものです。
使っていくうちに微調整が必要になりますし、少なくとも一年に一回は眼とメガネの経過観察が必要です。
そう言った点からも、眼科で眼鏡の処方箋を作っておく事は大切ですし、通いやすいかかりつけ医を作っておく事をお勧めします。
以上が、メガネを作ろうと思ったらまず初めに注意して頂きたいポイントになります。
次に、眼精疲労の施術をしていてよく出会うメガネの問題についてお話ししていきます。
それは『近視の過矯正』の問題です。
あるデータでは、メガネやコンタクトを使う8割の人が過矯正だと言われています。
この記事の最後に、自身のメガネやコンタクトが過矯正になっていないかのテストを載せておきました。メガネやコンタクトを使用している方はぜひ最後にやってみて下さい。
話を戻します。
そもそもメガネを作ろうと思うキッカケは、大抵の場合、裸眼で見づらくなってきたからというものだと思います。
ですので、良く見えるメガネこそ良いメガネとなりやすいものです。
しかし、その考え方は危険です。
見え過ぎるメガネは眼を壊す原因になります。
見え過ぎるメガネは眼精疲労を酷く助長し、目の痛み、頭痛、首凝り、肩凝り、吐き気、食欲不振などの原因になります。
そのメガネを使うシチュエーションに合った度数に調整する事が最も大切です。
そこで、メガネを作る際に過矯正になってしまう原因を見ていきましょう。
原因⑴
これは先にも書きましたが『よく見える事が最優先』という間違った認識です。
これは作ってもらう側も注意が必要ですし、作る側の勉強不足でも起こり得ます。
『良く見える』より『楽に見える』ことが大事です。
対策として、デスクワークなどの手元作業で使うものなのか、車の運転などある程度遠くも見るものなのかなど、自身が作るメガネの使用環境を明確にしておきましょう。そしてそれを作り手にしっかりと伝える事が大切になります。
原因⑵
調節緊張がある状態で視力を出してしまう。
人の眼は、リラックスしていると遠くにピントを合わせる状態になっています。
そのため近くを見るにはピント調節筋を緊張させる必要があります。
近くを見る作業を長時間続けていると、その調節筋の緊張が戻りにくくなります。
その状態を調節緊張といいます。
調節緊張がある状態で視力検査を行うと、実際の視力より強い近視のデータが出てしまい、強過ぎる度数のコンタクトやメガネになってしまいます。
対策として、散瞳検査をして調節緊張の程度を調べ、必要な場合は、雲霧法という検査法を使ったり、場合によっては点眼薬で調節筋の緊張をリセットしてから視力を出す事をします。
この様な点からも、まずは眼科を受診して正確な視力を出す事をお勧めします。
原因⑶
検眼当日の体のコンディション。
知らないと驚かれるかもしれませんが、眼も体の一部なので、体調によって視力も影響されます。
空腹か満腹か、水分補給ができているか、体の疲労度、前日に寝不足などではないか、午前と午後でも違います。もっと言えば検査時の精神的緊張具合でも違いがでます。
対策としては、検眼する日を前もって決めておいて、それに向けて体調管理を意識しておく事です。
たまたま時間が出来たからなど、飛び込みで検眼とメガネ製作を行うと、精度の高いメガネを作る事は難しいと覚えておいて下さい。
原因⑷
作る側の問題。
検眼においても、メガネ製作におても、かなりの知識と技術力が必要になります。
より正確な視力を出すには、ある程度の検査スペースと検査時間は絶対的に必要になります。少なくとも、目の前の画面を見るだけでは無理があります。
当然、最終的なメガネのフィッティングにも、正しい知識と技術が必要で、それなりに時間がかかります。正確なフィッティングができなければ、いくら良いレンズを作っても無意味になってしまいます。
つまり、『早く作れる事』を売りにしているところには注意する必要があります。
逆に、丁寧な聞き取りと細かな調整を繰り返してくれるところは良いところかもしれません。
ホームページなどで丁寧に情報発信をしているメガネ屋さんを選んだり、国家資格の『眼鏡製作技能士』を持っている人のいる店舗に行く事をお勧めします。
以上が、メガネやコンタクトを使用している方の8割以上が陥っていると言われる過矯正の原因と対策になります。
繰り返しになりますが、過矯正は眼精疲労や更なる視力低下の原因になります。
眼精疲労は眼の症状だけではなく全身に問題を引き起こします。
強い近視は失明に至る病気発症のリスクを極端に引き上げます。
メガネやコンタクト作りには細心の注意を払いましょう。
最後になりますが、現在使用中のメガネやコンタクトが過矯正になっていないかのテストを載せておきますので、ぜひやってみて下さい。
《レッド・グリーンテスト》
使用中のメガネやコンタクトを装着して、よく使っている距離にこの画面を置き、下の2色の画像を見て下さい。
例)スマートフォン 25~30cm
読書 35~40cm
パソコン 50~60cm

【近視の人】
1. 赤と緑がどちらも同じくらい見える→適正
2. やや赤が見えやすい→低矯正
3. やや緑が見えやすい→過矯正
【遠視の人】
1. 赤と緑がどちらも同じくらい見える→適正
2. やや赤が見えやすい→過矯正
3. やや緑が見えやすい→低矯正
※その日の環境や体調にもよりますので、目安と思って下さい。
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