効果的にストレッチを行う為に
- komodaseikotsuin
- 2017年9月28日
- 読了時間: 5分
更新日:2022年12月17日
当院には、他院に通われてて改善しなかった方が多くいらっしゃいます。
初診の時、どんな治療を受けていたのか聞くと、
内容はそれぞれですが、ある程度共通してストレッチを処方されています。
しかし、何処を伸ばすか、どんな体勢で伸ばすかは伝えられていても、
効果を出す為の原則を伝えられてない場合がとても多いです。
これを知らないで行っても、残念ながら効果はあまり出ません。
非常に勿体無いので、今回はストレッチの基礎知識を確認するとともに、
関係の深い場面である、ウォーミングアップとクールダウンについても少しふれていこうと思います。
ストレッチは大きく分けて2種類あります。
①静的(スタティック)ストレッチ
②動的ストレッチ
以上の2種類です。
おそらく多くの人がイメージするストレッチは、①だと思います。
例えば大腿後面(太ももの後ろ)を伸ばす場合、膝を伸ばして上半身をグーッと前に倒してその状態を数秒キープする。
細かい事を抜きにすれば、コレがスタティックストレッチです。
今回はこちらのストレッチを中心にお話ししていきます。
効果的に行う為の注意点や、このストレッチの目的、リスクもお伝えしていきます。
《スタティックストレッチの目的》
先ずは目的から。効果と言い換えてもいいですね。
ザックリ言えば【柔軟性の向上】 これにつきます。
ベースとなる柔軟性の向上から、疲労などによる一時的な筋の硬さを取る効果もあります。
平たく言うなら筋肉を緩める効果があるといえます。
クールダウンに適しています。
《リスクについて》
実はこの【緩める】と言うのが重要なポイントで、スタティックストレッチを行うタイミングを間違えると、マイナスの影響が出ます。
筋肉の特徴として、緩んだ状態ではパワーを発揮し難いという点があります。
もっと言うと動きの質によっては怪我のリスクが高まります。
つまり、これからプレーしようとする直前には向かないのです。
ウォーミングアップには向きません。
ここまでの話を聞いて、ハッとした方も多いのではないでしょうか。
実は中学生のバレーボールの大会や、ママさんバレーの大会で、ウォーミングアップ時によく見かけます。
この機会に、効果的なやり方と行うタイミングを覚えて頂けたら嬉しいです。
ちなみに、ウォーミングアップの主目的は、文字通り体を温める事にあります。
筋肉や関節の動きは温まっている方が滑らかになります。
ある大学の研究データでは、春夏秋冬に関わらず、運動に適した筋温になるには15分以上の運動が必要との事です。
【その際におすすめなのがランニングです。下半身には身体の3分の2筋肉があります。そこを刺激してあげると体温(筋温)の上昇に効果的です。息が上がらない程度のペースでランニングをして下さい。】
残念ながらスタティックストレッチは筋温上昇に不向きです。
こんな時におすすめなのが動的ストレッチです。
筋温を上げる事も狙えますし、筋肉の瞬発力を引き出す刺激にもなります。
正にウォーミングアップにうってつけです。動的ストレッチについては別の機会に書いていこうと思います。
話を戻します。
ここからが重要です。
《正しいやり方》
①どれくらいの強さで伸ばせばいいのか?
強くやればやるほど効果的かといえばそうではありません。
無理にやればかえってケガにつながります。目安は"イタ気持ちいい"です。
痛いが3割、気持ちいいが7割くらいの加減で目的の筋肉にテンションをかけて下さい。
呼吸を目安にしてもいいです。
テンションをかけている間も深く穏やかな呼吸が維持出来る強さでテンションをかけてみて下さい。
ちなみに、グイッグイッと反動をつけて伸ばしてはいけませ。
今回はあくまで静的ストレッチです。目的のテンションでキープします。
②1回どれくらいの時間伸ばすのか?
1回のポージング(グーっと伸ばす)の継続時間は目的によって異なりますが、
ここでは最低25秒としましょう。
筋肉には引っ張られると縮む反射作用があります。
これによって引っ張られ過ぎて切れてしまわないようにしてくれています。
この作用が落ち着き、逆に"緩んだ方がいいよー"という指令が働くまでに、
個人差はありますが、20秒くらいかかると言われています。
なので念のためにプラス5秒とって、25秒としました。
さらに、これはかなり細かい話しになりますが、
ここまでは筋繊維を標的にした場合の話で、筋膜なども緩めて行きたい場合は60秒程度となります。
どちらにしても1つの筋肉につき、①に書いた事に注意しながら一定時間伸ばす事を3〜5回繰り返すと効果的です。
ちなみに、ベースの柔軟性を高めたい場合は、
60秒継続を3~5セットで週に4回以上を継続すると効果的です。
③意識
筋力トレーニングでは、鍛えている筋を意識した方が効果的ですが、ストレッチでは逆効果となります。
意識が向くと、その筋肉は緊張しやすくなるからです。
ですので、スタティックストレッチを行う際は、
目的の筋肉にテンションをかけられたら、キープしている間は呼吸に意識をもっていきましょう。
いかがでしたか?
効果的にストレッチを行うことで、もっともっとスポーツを楽しでもらえるように成っていただければ幸いです。
ご不明な点などございましたら、お気軽にお問い合わせ下さい。
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